文章を書くのが久しぶりなので、何から書いたらいいのやらという感じで(ここまで書くのに20分かかりました)とりあえず音楽をかけてみようと思い、さっきからこの間古本屋で買った昔のイギリスのフォークのコンピを聴いているのですが、その中のRALPH McTELLという人の歌が良すぎて何度もリピートしています。ああ、めちゃくちゃ素晴らしいですこれは。指弾きのギターの音も歌声も、とても好きです。この人がまったく売れてなかったら絶望しかない。でも僕が知らないだけできっととても有名な人なんでしょうね。
知らないと言えば、今年の二月に沖縄のSMOKEというバーで演奏させてもらったのですが、その時お店でかかっていたアルバムがとても良くて、東京に戻ったら探して買おうと思って、でもどのアルバムかわからないなと思いながら家に帰ってCD棚を見たらその人のCDがあって、あっと思ってかけてみたらまさにそれがそのアルバムで、しばらくそのアルバムを聴いて、これは人に教えなきゃと思っていた矢先にベイパートレイルという先輩ミュージシャンに会ったので、松本(本名)さん!ジョニ・ミッチェルのブルーって知ってる?絶対好きだよ、聴いた方がいいよ!と言うと、知っっっってるよ!つうかブルーが一番有名だよ!おおのくん以外みんな知ってるよ!といつもの口調で言われ、そうか、やはりこれはみんなが知ってる名作なんだなあ、めちゃいいもんなあと妙に納得したということがありました。
ここまで書く間にもう22、3回はリピートしたんですがRALPH McTELL、まだいいです。全然色褪せない。色褪せてたまるかよ!とラルフは言うでしょうか。ラルフ・マクテル、生きているのか、死んでいるのか。イギリスのコンピだから、きっとイギリス人なんでしょう。さっきから聴いてしまって全然文が進まないのでCDのリピートを解除したら、次の人はあまり好きじゃなくてまたラルフに戻しました。
何と言うか間が好きなのかもしれないです。この人のギターの音と声を出す間というかタイミングというか、それがとても好みなんだと思います。この曲はギターと声だけの曲なんですが、弦を指ではじきながら同時に声を出すだけでこんなにすごいことになるんだと、今改めて思い知りました。僕も最近ギターと歌だけのアルバムを作ったんですが、というかこの文章はそもそもそのアルバムのことについて話すつもりで書き始めたのですが、作る前にもしこの曲を聴いてたら、もうこの人がこんないい曲作ってるなら自分で作る必要ないやと思って、アルバム作ってなかったかもしれません。いや、それはさすがに言い過ぎだろうどんだけラルフに夢中なんだ、だいたいまだ一曲しか聴いていないじゃないかという気持ちと、いや一曲聴いたら大体わかるこの人はすごい人だという気持ちと、でも本当は悔しくてこの人のアルバムの他の曲が全然良くなかったらいいのにと思ってるだろうという気持ちと、いやそんなことは思わない、ちょっとは思うけどこの人のアルバムを通して聴いてみたいという気持ち達がぶつかり合って、自分のアルバムについて今夜は書けませんでした。
そんなわけで、聴いてください。ラルフ・マクテルで、『ストリーツ・オブ・ロンドン』
つづく