oono yuuki 『lotus』
おかげさまで、セカンドアルバム『TEMPESTAS』が本日発売されます。
ようやくです。
さっき一度ブログを書いたのですが、途中から音楽と全く関係のないミステリ小説の話になってしまい、消しました。
今から気を取り直して2回目を書きます。
なんでこんなにファーストとセカンドの間が空いたのですか?と訊かれることがたまにあります(自分はそう思ってませんが)。
駄作でも良いからどんどん出さないと忘れられちゃうよ、というありがたいお言葉を頂戴したこともありました。
ではこの2年ちょっとの間、私は何をしていたかというと、まずミステリを読みまくっていた時期がありました。←前回はここで脱線したので詳細は省きます。
昔のプロペラ飛行機(特にパイロット)の事ばかり気になっていた時期もありました。
ジョジョの奇妙な冒険を最初から読み返したり、数独という9マスのパズルが手放せなくなったり、小麦粉にはまったことさえありました。
本当に忙しかった。
でも「その全てが音楽に繋がっているんです」などと、きれいごとを言うつもりはありません。
小麦粉と音楽が繋がっているはずがない。
だけど全部がまるっきり無駄だったかというとそうでもなくて、
数独の9マスばかり眺め続けていたせいか、メンバーは9人になり、アルバムは9曲入りになりました。
TEMPESTASもOONOYUUKIもなんと9文字です。全部ただの偶然ですが。
あと、小麦粉ばかりこねていたせいで握力が強くなって、ギターのコードが前より楽に押さえられるようになりました(やはり関係あった)。
はい。
なんだかほんとにどうでもいいことを書いて、大切なことをはぐらかしているような気がしてきたので、突然ですがこの場を借りて皆さんに感謝を伝えたいと思います。
まずkitiレーベル。実はキチと読みます。アルバムの内容を全て自由にやらせてくれて、出来上がったものに即ゴーサインを出してくれる、男気あふれるレーベルです。
このレーベルがなかったら、というか中井君がいなかったら、僕も麓健一さんも永久にCDなんて作らず、年老いてもなおミックステープを交換しあっていたと思います(それはそれで素晴らしいことだと思いますが)。
そして録音エンジニアの近藤さんとアシスタントの渋谷さんにも大変お世話になりました。たくさんのわがままを聞いて下さり(もっと粗い音にしたい、もっと遠い音にしたい、もっとグシャグシャにしたい、等々)、とても好きな音に仕上げて頂きました。正月にスタジオを開けて下さったり、渋谷さんには何度も家まで送ってもらいました。
ジャケットの絵や見開きの写真は、八木一隆(kazutaka yagi)さんの作品です。実はまだお会いしたことさえないのですが、レーベルの中井さんに教えてもらってすぐ、この方にお願いすると決めました。八木さんのホームページはいつまででも見ていられます。本当に素晴らしい作品ばかりです。
ジャケットの中の写真やアーティスト写真は、タナシンこと田中慎一郎さんに撮って頂きました。「俺もう方言やめるけん!」と方言で言い放つ生粋の九州男児です。去年から撮ってくれたライブ写真はすでに数千枚に達しています。名古屋ライブの時にはドライバーまで努めて下さり、浜名湖サービスエリアで凍えるメンバーたちにおでんをごちそうしてくれた素晴らしいお方です。
アルバムのデザインはmarianne mafilleさん。打ち合わせと称し、僕のわけのわからない話を夜遅くまで聞いて頂きました。どんなインタビューよりも言いたいことを言いました。デザインの段階でもお忙しい中わがままをたくさん聞いて頂きました。出来上がったジャケットのサンプルを、鞄に入れてしばらく持ち歩いていたのでもうボロボロです。
PVを撮影してくれたのは栗原論さんです。つい一昨日まで、地獄の編集作業をしてくれました。当日の昼に、どうやら今晩全員集まれそうだと分かり、夜の11時から無理矢理撮影を強行したのですが、本当に色々大変だったと思います。でもおかげで勢いのある作品になりました。でも本当に大変だったと思います。
そしてメンバーの皆さん。1月2日から呼び出され、スタジオに監禁され、わけのわからない楽譜の腐ったような紙をわたされ、自由にやっていいよと言われたと思えば、違うそうじゃないと言われ、ハードロックみたいな曲をやりたいと言ったくせにやっぱり途中でやめると言われ、雨にも負けず、風にも負けず、よく耐え、素晴らしい演奏をしてくれました。本当にすみませんでした。
最終的に謝ってしまいましたが、本当に感謝しています。
皆さんのおかげで、いいアルバムを作る事が出来ました。
こうやって文字で書くとすんなりきれいに出来上がったような感じもしてしまいますが、実際はなんというかもうぐしゃぐしゃで、毎日グラディウスの1面の火山が噴火するとこにいるような感じでした。
なので本当にアルバムが出るのがちょっと信じられないというか、嬉しいというか、ラッキーというかなんだか妙な気分です。
oono yuuki 『TEMPESTAS』
よかったら聴いてみて下さい。
本当にありがとうございました。